図柄表:アルフォンソ13世 第1肖像
図柄裏:スペイン帝国紋章
発行地:スペイン帝国マドリード王立造幣局
発行年:1890年
彫刻師:Gregorio Sellán González
銘文表:ALFONSO XIII POR LA G DE DIOS G S 1890
銘文裏:REY CONSTL DE ESPAÑA PLUS ULTRA MP M 5 PESETAS
額 面:5ペセタ
材 質:銀.900
直 径:37.0 mm
重 量:25.0 g
分 類:KM-689; Cal-12
状 態:NGC XF40
備 考:Rainbow Toned, Continuous fleur-de-lys around edge
表裏共にレインボートーンがのった美しい個体。
アルフォンソ13世は、フランス・ブルボン家の末裔の一人。スペインのブルボン家は、慣習的にスペイン・ボルボン家と呼ぶ。ボルボンとは、ブルボンのスペイン語発音である。アルフォンソ13世はアルフォンソ12世の息子で、父の早世で誕生と同時に王位を授かった。
成人すると英国旅行の際にヴィクトリア女王の孫ヴィクトリア・ユージェニーと出逢い、後に結婚する。だが、この結婚は一筋縄にはいかなかった。ユージェニーは英国国教会の信徒であり、この結婚にあたり、アルフォンソ側のローマ・カトリックに改宗しなければならなかったからである。当然、英国国民の一部が彼女の改宗に反発した。また、二人の結婚式当日、パレードで爆破テロが起こった。犯人はマテオ・モラレスという人物で、逮捕される前に自害したが、この爆破テロによって警備兵及び観衆が犠牲になり、総勢31名が命を落とした。アルフォンソとユージェニーは無事だったが、この事件は新婚の二人にとっては精神的にかなりショッキングな出来事だった。
その後、第一次世界大戦が没発すると、スペインは中立の立場を採った。アルフォンソの母クリスティーナがオーストラリア王家、妻ユージェニーが英国王家の血を引く背景があった。この中立体制でスペインは物資の供給に徹した。その結果、軍事特需が起こり、経済的には潤うこととなった。だが、国内は常に不安定な状況であり、度重なるテロのと自治体の反乱の結果、アルフォンソは国外亡命を余儀なくされた。アルフォンソは息子フアン・カルロスに王位を継承し、亡命先のローマで没した。